ミスタッチについて
ミスタッチを減らそうとすることが、あまりにも多くの弊害を生んでいる。
ミスタッチをなくすだけを効率よく達成したければ、鍵盤のそばから打鍵すればいい。鍵盤に張り付いて、ハンマーに対して直接的に確実な打鍵をすればミスは起きない。
そうした縮こまった弾き方を続けていると、いつしかそれが癖になり、鍵盤から離れるのが怖くなる。頭は常に次の音のことを考えている。ミスタッチをなくす過程で、「理想」が強固に形づくられ、それ以外の現象を拒否する身体ができてしまう。その時にはもう時遅しである。
ミスタッチをしてしまったときには条件反射のように冷や汗が出て、気分も悪くなる。いつしかミスタッチの仕方も忘れてしまっているのではないだろうか。
まずはミスタッチした時に平然としていられるメンタルを作ることからだと思う。ミスタッチしたときに気持ちいいと思えたらそこからがスタートだ。
「起きていることは全て正しい」。