岡本太郎的なるもの

芸術は爆発だ。

岡本太郎の「自分の中に毒を持て」は私のバイブル的な書物だが、現代ピアノ奏法にも岡本太郎的なるものを多く発見することができる。

極端を恐れず、思いっきりやってみる。
自分の限界を考えず、つねに挑む。
ダメなら、とことんダメになってみる。

どうも、「上達する」ということが、正確性が増す、より安定して演奏できるということに結びついてしまっているように思えてならない。それでは、絵描きが「あなたの絵は写真のように正確ですね」と言われて喜んでいるのと同じだ。

上達するとは、挑むこと。変わること。殻を破ること。

現代ピアノ奏法で最も象徴的なのは「構築せず、本能的に演奏する」という考え方で、私はこの考え方が大好きだ。そして、すごく岡本太郎的だと思う。

構築を捨て、身体がゆるみ、自分の底から湧き上がってくる気持ちをそのまま音にぶつけることができるようになったとき、岡本太郎のように、人間に内在する原始的な爆発が生まれる。

自分にもその時が来るのを楽しみにしたい。

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